【登録販売者】登録販売者は、2009年の改正薬事法により「医薬品販売の専門家」として新たに誕生した国家資格です。規制緩和により、病院で処方される薬の成分の一部が、市販薬でも使用可能となり、効果の高い薬を手軽に購入できるようになりました。
また、人生100年時代の到来で平均寿命が長くなり、生活習慣病などが増加傾向にあるなか、自分の健康は自分で責任を持つことが求められています。政府としても怪我や病気になった時に、自身で医薬品を使用して治療に努める「セルフメディケーション」を推進する動きがあります。
登録販売者は、市販薬の9割以上を販売できる市販薬のスペシャリストとして、地域医療の最前線を担う健康アドバイザーとして、より身近になった医薬品をとおして、私たちの地域医療に貢献しています。
「こういった状況から、これまで以上に医薬品に関するリスク管理がとても重要になっていて、薬の専門家として、医薬品の知識が豊富で店頭で注意喚起ができる、登録販売者の役割がますます重要視されているよ。」
薬局やドラッグストアでは、登録販売者の誕生により、医薬品の調剤業務と販売業務の分業が可能となり、薬剤師の負担減少にも繋がっているんだ。コンビニやホームセンター、家電量販店などでも、登録販売者をおけば、医薬品販売が可能となるため、仕事ニーズが非常に高く、活躍の場がどんどん広がっているよ。」
※登録販売者は、かぜ薬や鎮痛剤などの医師による処方箋がなくても購入できる医薬品「一般用医薬品」のうち、第2類と第3類を取り扱うことができます。この第2類・第3類は、「一般用医薬品」の9割以上を占めています。
難易度
(易しい)
受験者数65,433人、合格者数26,996人、合格率 41.3% [厚生労働省「平成30年度登録販売者試験実施状況」より]
※同一人が複数の試験を受験し、複数の試験で合格している可能性があるため、受験者数及び合格者数の計は延べ人数である。
平成30年度登録販売者試験実施状況 詳細をみる(厚生労働省サイト)>>
受験資格
学歴・年齢・実務経験等不問(どなたでも受験できます)
※2015年より実務経験がなくても受験可となりました。
試験科目・内容・合格基準
<マークシート方式>
筆記試験 午前60問120分、午後60問120分
<出題範囲>
厚労省発表の「試験問題の作成に関する手引き」から各都道府県ごとに出題
<試験項目>
第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識:20問(40分)
第2章 人体の働きと医薬品:20問(40分)
第3章 主な医薬品とその作用:40問(80分)
第4章 薬事関係法規・制度:20問(40分)
第5章 医薬品の適正使用・安全対策:20問(40分)
合計 120問(240分)
※出題範囲・問題数は全国共通
※地域により、午前・午後で出題項目が異なる場合があります。
<試験回数>
都道府県ごとに少なくとも年1回以上実施
※試験は都道府県により、実施日時および試験問題が異なります。
<合格基準>
合格基準は、都道府県により異なりますが、原則として、全体の7割以上得点することとされているため、総出題数120問中、正答率7割以上で84点以上が合格ラインであるといえます。
また、出題科目が第5章まで計5科目ありますが、各科目3.5割以上得点することが求められています。そのため、とにかくまずは苦手科目を作らず、平均的に得点できる対策が必要です。
「例えば、東京都の平成30年度登録販売者試験の場合、配点を各問1点として、以下の2つの基準の両方を満たす受験生を合格としているよ。
1 総出題数(120問)に対する正答率が7割以上(84点以上)であること
2 各試験項目ごとの出題数に対する正答率が3.5割以上であること」
※合格基準は都道府県により異なります。
平成30年度登録販売者試験について 詳細をみる(東京都福祉保健局サイト)>>
◇試験対策について
登録販売者試験は、原則として、合格基準点が「全体の7割以上の得点、かつ各試験項目ごとの出題数に対して3.5割以上(都道府県によっては4割以上)の正答」と決められています。
そのため、必要な対策を行って試験に臨めば、国家資格の中では比較的合格しやすい資格といえます。
問題数は全部で120問(1問1点)のうち、正答率が7割以上なので、84点以上が合格ラインといえます。
注意点としては、都道府県により異なりますが、各試験項目ごとの正答率が3割5分~4割以上とされています。そのため、全5科目について、苦手科目をつくらないことが大切です。
また、都道府県ごとに別日程で試験が実施されることから、試験問題が異なります。厚生労働省が「試験問題の作成に関する手引き」を出して対策しているものの、難易度において、都道府県ごとに大きなムラや差が生じているのが現状です。
「都道府県ごとに試験問題が公表されていて、合格した都道府県と勤務先は同一でなくともよいため、受験生によっては、より難易度の低い都道府県で受験したり、いくつかの都道府県で受験する人もいるようだよ。
※登録販売者「販売従事登録」は、実際に勤務する都道府県へ提出します。
『販売従事登録』+過去5年間のうち実務経験が通算して2年以上(月80時間以上)を経ることで、単独で売り場に立てる登録販売者となれるよ。」
「試験項目」のうち、特に「第3章 主な医薬品とその作用」は、40問(80分)と、最も出題数が多く、得点源としても重要な分野となります。たくさんの医薬品の名前や作用を覚えて理解する必要があることから、個人差はあるものの、負担が大きい分野だといえます。そのため、イメージ記憶や語呂合わせなど使って、より体系的に理解できるような教材選びが大切です。
「登録販売者試験では、2章と3章が難しいといわれているよ。そのため、例えば、2章で扱う『体の仕組み』はイラストで覚えるとか、3章で扱う『成分名』はカテゴリで覚えるなど、自身で学習の工夫をしている受験生も多くいるようだよ。」
短期合格の秘訣
第1章/第4章 … きちんと対策すれば満点が狙えます
第2章/第5章 … 9割以上の得点を狙えます
第3章 … 完璧になるには時間がかかり過ぎるため必要最低限で対策する
「登録販売者試験は、第3章を除く、第1章、第2章、第4章だけで、合格付近(76点)まで到達できるといわれているよ。
全部覚えてから問題を解くというやり方では、問題を解くタイミングが遅れるなどデメリットが大きいよ。そのため、初期段階から問題にふれることを意識した学習を行うと、テキストの内容が理解しやすくなるよ。
反面、厚生労働省が出している『試験問題の作成に関する手引き』を使った学習は、実際の出題傾向から離れた学習となるため避けた方がよいよ。あくまでも試験合格を目的としているので、本筋から逸れた学習とならないように、意識して学習することが大切だよ。」
学習のポイント
1.暗記の基本は「繰り返し」(全部に有効)
2.複雑な文章を図に表してみる(全部に有効)
3.イメージ記憶法(特に第3章で有効)
4.趣旨(理由)から考える(特に第4~5章で有効)
登録販売者試験スケジュール
<東京都の例>
試験日:例年9月上旬の1日間
試験時間帯:10:00~15:30
受験申込期間:例年5月下旬~6月上旬
合格発表日:例年10月上旬頃
平成31年(2019年)度登録販売者試験について 詳細をみる(東京都福祉保健局サイト)>>
登録販売者試験 実施状況
平成30年度の合格者は以下のとおりです。
[受験者数]
合計:65,436名(前年比4,310名増加)
[合格者数]
合計:26,996名(前年比390名増加)
[合格率]
41.3%(前年比2.2%減少)
[都道府県別合格率]
<合格率ベスト5>
①北海道 58.6%
②熊本県 57.0%
③宮城県 56.6%
④長崎県 55.5%
⑤山形県 52.8%
<合格率ワースト3>
①福井県 19.5%
②岡山県 28.4%
③鳥取県 28.5%
④滋賀県 29.3%
⑤島根県、山口県 30.6%
過去の試験実施結果の推移
「薬事日報」によると、登録販売者試験合格者は、2018年度までの累計で253,398名となり、2018年度までに25万人超の合格者が輩出されていることがわかります。
[2018年] 受験者数:65,436名、合格者数:26,996名、合格率:41.3%
[2017年] 受験者数:61,126名、合格者数:26,606名、合格率:43.5%
[2016年] 受験者数:53,346名、合格者数:23,321名、合格率:43.7%
[2015年] 受験者数:49,864名、合格者数:22,901名、合格率:45.9%
[2014年] 受験者数:31,362名、合格者数:13,627名、合格率:43.5%
これまでの登録販売者試験実施状況等について 詳細をみる(厚生労働省サイト)>>
※上記内容は、情報を保証するものではございません。日程が変更される場合もございますので、必ずご自身で各実施団体のホームページなどでご確認ください。
天狗先生:いつの間にか山奥からおりてきて、悩み多き社会人や受験生にいつも的確なアドバイスをくれる人。神秘的で気高く頼りになる見た目と、田舎の祖父を思い出す温かい印象から、みんなは彼を先生と呼んでいる。ちなみに、体が赤いのはお酒を呑んでいるのではなく、熱過ぎるハートのせいなんだとか。