「朝活で勉強」は常識?忙しい社会人が勉強時間を作るべき時間帯

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
勉強する時間帯の活用法イメージ

この記事を書いた人:S

資格取得に向け、勉強する時間を確保しようと考えた時、とれる時間は、「まとまった時間」と「隙間時間」の2つに大きく分けられます。24時間を自由に使える状況であれば、悩む必要はありませんが、この記事を読んでいる人の多くは、恐らくそうではないはずです。

使える時間が少ない人ほど、「まとまった時間」と「隙間時間」両方の時間をいずれも効率的に活用し、資格勉強をしていく必要があります。とはいえ、特に社会人の方ですと、休日はともかく、平日の「まとまった時間」を確保するのは、なかなか難しいものですよね。忙しい中、どの時間帯で「まとまった勉強時間」を作るべきか、悩んでいる方や、試行錯誤されている方もいると思います。


この記事では、主にまとまった勉強時間を作る「時間帯」についての工夫や、その時間の使い方をご紹介します。忙しい中でも難関資格・難関試験に挑戦している実際の資格受験生や、見事合格を勝ち取った合格者の声を、参考にしてみてくださいね。

※本記事に掲載の資格受験生・合格者の声は、掲載にあたり、抜粋など一部再構成している場合があります。

まとまった勉強時間がとれるタイミングは、朝か夜

社会人が平日に「まとまった勉強時間」を確保し、資格勉強をしようとすると、昼間に仕事をしている方が多いので、必然的に「朝」「夜」の2択になるかと思います。

朝は苦手だし、出かける準備もあるし、夜は疲れているし、家事やお風呂、子どもの寝かしつけなどもあるし……と、「勉強できない」理由は探せばいくらでも出てきそうです。同じような状況でも、上手に勉強している資格受験生は、一体どのように時間を活用しているのでしょうか。

世の中の資格受験生が活用しているのはいつ?

実際の資格受験生・合格者に「勉強に関する時間活用法」について答えてもらったところ、「平日のまとまった時間」について工夫しているという声がたくさんありました。その時間帯について、朝・昼・夜それぞれの回答の割合は下記の通りです。

※「通勤中」など移動時間の勉強は含めず、固定の場所で勉強している旨の回答を集計。

「朝にまとまった時間をとって、勉強している」という人がなんと7割近く!

なんでもないことのようですが、あえて「時間をとっている」というところがポイントです。「時間をとっている」ということは、今の生活の中で、なんとなく時間を見つけて資格勉強をするというよりは、「その時間に勉強時間をとれるよう意識している」「スケジュールを調整して時間を作っている」ということです。考えてみれば仕事でも、まとまった時間が勝手にやってくることなんて、そうそうありませんよね。他の業務を調整して「意識して時間を作る」ことの方が多いと思います。

時間がないからこそ、毎日、時間を作ることを意識して、場合によっては、資格受験に合わせて生活スタイルを変えることも必要です。そうして作った「まとまった時間」で、最大限に効果を発揮できるよう、時間帯についても工夫してみましょう!

1.「朝に勉強時間をとる」のが最も効率的?

では、なぜ多くの人が、「朝」に勉強するよう工夫しているのでしょうか。そのメリットと勉強方法を見てみましょう。

【朝活のメリット1】仕事に左右されず、確実に勉強時間を取れる

夜に資格勉強をしたくても、「帰宅時間が不規則」「仕事が忙しくて毎日帰りが遅い」「帰宅できても疲れていて勉強がはかどらない」という社会人の方も多いかと思います。せっかく立てた勉強計画も、思うように実行できない日が続けば、モチベーションが下がってきてしまいそうです……。

では、朝ならどうでしょうか?決めた時間に起きさえすれば、仕事や用事に左右されることなく時間がとれますよね。実際に、同じ悩みを抱えて「朝の勉強」を選択し、資格受験に挑戦した方の、こんな声をご紹介します。

毎日こつこつ朝勉 札幌のおじさん行政書士合格者さん(行政書士試験 合格者/宅建士試験 受験生)

会社員は、どうしても、帰宅が不規則になります。ましてや多忙な職場に勤めていたらなおさらです。そこで、1週間25時間勉強という自分に課したノルマを実現するため、早朝の時間を有効活用する「朝勉」に取り組みました。5時起床、6時から7時半までの90分、静かな時間に集中して机の前に座ります。冬の札幌の朝は本当に寒いですが、電気ストーブを付け、ひざ掛けをして完全防寒スタイル。1年春夏秋冬継続し、行政書士試験一発合格につながりました。

行政書士の試験範囲はとても広いわけですが、毎日少しずつ、繰り返して取り組むことによって、ピッチを落とさないで、かつ、全科目の回転数を高めることができます。50歳代以降のベテラン世代はもちろんですが、仕事との両立に悩んでいらっしゃる方にもお勧めです!!

謎の人「予定がどうなるかわからない『夜』よりも、最初から、確実に時間をとれる『朝』の時間帯を勉強時間として設定するのは、一つの手だね。ちゃんと実行できる日が続けば、資格勉強を継続するモチベーションも保てそう!合格者に言われると、説得力あるな~。」

【朝活のメリット2】脳がリセットされ、勉強がはかどる

特に、デスクワークのお仕事が多い方だと、「頭がさえている午前中に、提案書を作ろう」「夕方は脳が疲れてくるから、人とコミュニケーションを取れる会議を入れたり、なるべく考えなくてもいい単純作業を」といったように、午前と午後との頭の回転の差を、実感されている方も多いのでは?

朝、仕事に出かける前の時間を有効活用する 花子さん(司法書士試験 受験生)

これまでは主に夜寝る前に勉強していましたが、夜は仕事で疲れてどうしても眠くなるので効率が良くないと感じ、思い切って早寝早起きの朝型に変えてみました。
すると朝は疲れがなく一日で一番元気な時間帯だと気付き、それからは主に朝の時間帯を使ってテキストを読んで問題を解いてます。そして、朝読んだところを通勤時間や昼休みの時間をつかって思い出して、覚えていないところをチェックして、夜寝る前にもう一度覚えていなかったところを確認するようにしています。夜は仕事で疲れて直ぐに眠くなってしまう人に、朝の時間の活用も結構おすすめです。

「朝は頭がスッキリしていて、回転がいい」という感覚は、もちろん気のせいではありません。朝の脳の状態について、専門家も次のように述べています。

「私たちは日中の活動を通して、目や耳からさまざまな情報を得ています。その情報は大脳辺縁系の一部である海馬に集められ、短期記憶として一時的に保管されます。その後に、大脳皮質の側頭連合野に運ばれますが、この段階では記憶は蓄積されているだけです。
それが睡眠をとることで、記憶が整理され長期記憶へと変わります。すると朝の脳は前日の記憶がリセットされるため、新しい記憶を収納したり、創造性を発揮することに適した状態になります。この脳の仕組みが、朝の時間がゴールデンタイムだと言われる理由です」

出典:脳科学者が勧める「朝時間」の使い方(THE21 ONLINE)

謎の人「疲れて帰ってきて無理をするより、早寝早起きして朝に勉強する方が、翌日の仕事にも響かないし、いいかもしれないね。『早起きは苦手』って思っている人も、まずは一週間でも続けてみると、だんだん習慣化して、思いのほか、早起きが苦じゃなくなるかもよ?」

遅刻が心配な人は、いっそ家を出てリスクを回避

朝にがっつり資格勉強をしている方は、「自宅で勉強」派が最も多かったのですが、「朝に勉強時間をとるのは、遅刻が心配」という方には、いっそ、早めに家を出て勉強する方法もおすすめです。

始業時間ギリギリ出勤法 小御堂さん(司法書士試験 合格者/予備試験 受験生)

私は、早めの電車に乗りこみ、音声講義を聴きながらの通勤。最寄り駅に着いてからも、始業10分前までベンチでテキストを広げています。人ごみの中で精緻(せいち)な勉強はできませんから、講義を聴いた部分をペラペラとめくる程度です。
わずかな勉強時間かもしれませんが、毎日続ければ大きな成果になると信じています。そして早い時間に職場近くまで来ているので、電車遅延などによる遅刻の心配はまずありません。デスクについた途端仕事モードに入るというのもメリハリがきいて良いと思います。

これなら家を出る間際に焦ることもないですし、いいアイデアですよね。他にも、思い切って早起きして、早朝からやっているカフェで勉強している方や、「始業の1~2時間前に出社して、会社のデスクで勉強している」という声もありました。集中できるか・勉強が許される環境かは人それぞれですから、ご自身の状況に合った勉強場所を探してみましょう。

2.とはいえ、暗記は「夜、寝る前」がおすすめ

朝の勉強はメリットが多いですが、どうしても朝に弱い人や、夜の方が時間を作りやすいという方も当然います。そのため、夜をメインに資格勉強をしている人も、やはりたくさんいます。夜には夜のメリットもありますので、夜の勉強がだめなわけではありません。

謎の人

「夜だと、予備校や有料の自習室も開いていることが多いし、Wi-fiや電源完備のコワーキングスペースなんかも利用できる。自宅だと集中できない人も、勉強場所の選択肢が広がるね!他にはどんなメリットがあるかな?」

【夜に勉強するメリット】就寝前の記憶は定着しやすい

「暗記をするなら寝る前」というのは、昔からよく言われていることです。学生時代にも、この勉強方法を実行していた人は多いのではないでしょうか。これにはちゃんと、科学的根拠があります。

私たちの脳は、眠っている間にその日1日の記憶を整理し、必要なものを定着させます。つまり、勉強をした内容がきちんと脳に保存されるのは、寝ている間なのです。

ですから、勉強と睡眠の間になるべく何もしないことが、勉強した内容を効率よく定着させる秘訣です。

出典:「寝る直前10分の勉強」が効果絶大なワケ(東洋経済ONLINE)

どうしても時間がない場合、「寝る前に10分」でも非常に高い効果があるということです。もちろん、もっと時間がある人は、「夜にしっかり勉強して、寝る直前は苦手な部分・本当に覚えたい部分を見返す」という時間の使い方もできますね。

寝る前10分。 フライハイトさん(司法書士試験 受験生)

寝る前に勉強したことは記憶として定着しやすい、と一般的に言われています。最初は半信半疑だったのですが、実際にやってみると学習効率が飛躍的に向上しました。
歳を重ねるごとに記憶力の低下等、勉強するにあたって必要なファンダメンタルズが下がってしまうことは避けられません。勉強する時間の量を増やすことができればよいのですが、仕事をもつとそれは簡単なことではありません。したがって、勉強の量ではなく、勉強の質をたかめるために何をすべきかを探すことになりました。そして、やっとたどり着いたのが、眠る前に10分間集中することでした。

できれば、「朝も夜も」有効活用したい

朝と夜のいずれかではなく、「朝と夜どちらも勉強している」という資格受験生も、思いのほか多かったです。

たとえば、やはり「寝る前に覚えたことは記憶に残りやすい」という定説のためか、「寝る前に講義の音声を聴きながら(あるいは聴き終わってから)眠りにつく」という声が、いくつかありました。ただし、そういう人のほとんどは、それだけではさすがに心もとないので、翌朝その部分の復習や問題演習などを行っているようです。

深層心理勉強法 たっかさん(公務員試験 地方上級・国家一般職 受験生)

夜に寝ながら講義の音声を聴いて、翌朝その講義の範囲の問題を解きました。そうすることで、うつらうつらと寝そうで寝ない状態でうっすらと脳内に記憶されていたものが具体的なものになり、より強固な記憶になっているような気がします。 要するに、寝る前にインプットを行い、翌朝アウトプットを行うように心がけていました。

もしも、工夫して朝も夜も時間を作れそうなら、両方活用するのもおすすめです。朝と夜、それぞれのメリットを活かして勉強できますし、途中で集中力が切れてしまうリスクも減ります。場合によっては、何時間もまとめて勉強するより、「朝に1時間、夜に1時間」などの方が、はかどる可能性もありますよ。

謎の人

「たとえば、いわゆる『暗記』が必要なのか、『論理的思考力』が必要なのか、という、その試験や科目の特徴や、インプットかアウトプットかによって、朝と夜の勉強時間を使い分けるのはおすすめ!あとは、上手に調整すれば、『過度な夜更かし・早起き』もしなくていいし、中にはこんなメリットがあった人もいるよ。」

家族と時間差勉強法 あおしーさん(弁理士試験 受験生)

10カ月の子供がいるので、家族と同じ生活時間帯で勉強というのはなかなか大変でした。そこで、子供を寝かしつけた後に1時間、家族よりも1~2時間早く起きて勉強することにより、静かな時間で集中して勉強することが出来ています。この方法で、朝1~2時間、移動中など合計1時間、夜1時間で一日合計3~4時間は勉強することが出来ています。この方法のメリットとして、休日も家族と別に勉強時間が確保出来るので、家族サービスの時間も取れるので妻からの不満が減ります。笑

同じような状況で、可能であれば「家族が起きている間は一緒に過ごす」「家族が寝ている時間に勉強を頑張る」というのは、いい方法だと思いました。結果的に勉強時間が少し短くなっても、集中して質の高い勉強ができそうです。家族との時間も確保でき、一石二鳥ですね。

いずれにしても、せっかく作った「まとまった時間」には、論文などのパッと答えられない問題演習や、理解に時間がかかる箇所を読み込むなど、まとまった時間でないとできない勉強を中心に取り組みたいですね。

3.ただし、睡眠や食事は無理やり削らない

「まとまった時間」を作るうえで、気をつけたいことがあります。難関資格の受験生の中には、朝や夜に時間をとるために、「仕事は忙しいけど、4時間睡眠で、朝(または夜)に毎日2~4時間は勉強している」「ご飯を一食抜いて勉強している」という猛者も何人かいましたが、人によって、必要な睡眠時間や、合っている食事のとり方は違います。

睡眠不足は勉強の大敵!

たとえば、たくさん睡眠時間を削って、短時間の睡眠でも平気な人はいいのですが、「しっかり7時間くらいは寝ないと、身体の調子が狂ってしまう……。」というような人は、絶対に過度な無理はしないでくださいね。無理やり勉強時間を作っても、身体という資本がなければ、勉強も試験もこなせません。

また、先ほども触れたように、物事を記憶するのには「睡眠」が大事ですし、睡眠不足だと、頭がさえているはずの「朝」であっても頭が回らないということも。ある程度の睡眠は、やはり必要なものなのです。

昔は睡眠を惜しんで勉強したり、早起きして勉強をしたりすることもあったのですが、体調が追いつかなかったりするときもあったし、次の日に響くのがハイリスクだな、と落ち着いて考えるようになった。 リプスキーさん(公務員試験 受験生)

謎の人「仮に30分程度の勉強時間でもちゃんと意味はあるから、もしも寝る時間を削るなら、無理のない範囲でね!ちなみに、朝だと『出勤』というタイムリミットがあるから、つい予定より夜更かしして勉強してしまった……ということもない。そういう意味でも、忙しい中で朝か夜かどちらかだけを選ぶとしたら、僕なら朝にするかなぁ。」

食事についても同様で、「一食くらい抜いても平気」という人は別として、「食事を抜くと調子が出ない」という人は、過度な無理はしないことです。かえって勉強がはかどらないのでは元も子もないので、自分の身体と相談して、せめて最低限の栄養補給はするようにしたいですね。

まとめ

特に、社会人になってからの資格取得は、他の時間を犠牲にし、工夫をするなど、なかなかの覚悟と努力が必要です。でも、そういった努力が実を結び、資格を取得できれば、今の仕事をよりよいものにできたり、新たな活躍のステージへ一歩踏み出したりと、自分の理想の将来像をかなえることにつながるはずです。

今回は時間の活用法の第一弾として、「まとまった勉強時間をとる時間帯」について、ご紹介しました。よりさまざまな工夫をこらした「隙間時間の活用法」や、「時間を作る方法」「より効果を上げるアイデア」なども、またご紹介していければと思います。まとまった時間がとれる人も、とれない人も、より勉強の効果を上げ、合格に近づくヒントになると思いますので、ぜひお楽しみに。

<登場人物紹介>

謎の人謎の人:誰だか知らないけどやたらと資格に詳しくて教えたがり。勉強するのも好きなようで、気まぐれに現れて、勉強法をアドバイスしてくれることも。なんだか妙に「受験経験者」っぽいが、何者なのか?人間界の資格試験を受験できるのか?は、やっぱり謎。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

一歩進める「資格・合格資料」をプレゼント

少しでも資格に興味をもったら、次に今すぐできる小さな行動を。
行動を起こさなければ、「今のやってみようかな。」という熱意はすぐに冷めてしまいます。

小さな行動を繰り返すことで、新しいなりたい自分に必ず近づきます。今日のこの小さな一歩が、未来のあなたを大きく変えるかもしれません。

資格スクールのパイオニアLEC東京リーガルマインドは、司法試験をはじめとして、難関国家資格の合格者を多数輩出してきました。LECには長年の合格実績・合格ノウハウがあります。

ご希望の方には、LECから資格・合格・講座資料を無料でお届けします。

夢の実現を目指して頑張っているLEC受講生、LEC講師・スタッフと一緒に自分の未来を変えていきませんか。


[無料]資格の資料をもらって一歩進む≫