「何かスキルを身につけないと。このままだとまずいよな…。」
30歳を過ぎ、将来に不安を抱える営業マン大輔(31歳)。資格の悩みを解決するライスタ博士が、中小企業診断士の仕事と資格取得のメリットについて教えてくれます。
(大輔)「突然だけど、ライスタ博士、俺、今のままだと、社外で通用するキャリアが何もつかない、と悩んでて…。でも、別に今の会社が嫌なわけでもないし、他にやりたいことがあるわけでもないんだ。だけど、このまま時間だけが過ぎていくのは。。。」
(ライスタ博士)「ふむ、大丈夫じゃ。特に30代前半は、将来とキャリアの見直しを考えて、わしのところに、たくさん相談者がやってきておる。で、何か資格の勉強を始めたい…ということかのう?」
「うん、そうなんだ!でさ、今日は、ビジネスパーソンに人気があると聞いた『中小企業診断士』について、知りたいんだ。」
「お、そうか!よい資格に目をつけたのう。大輔のような人には、ピッタリの資格じゃ。なぜピッタリなのか?今日は、中小企業診断士の仕事や資格取得のメリットなどを中心に、一緒に見ていこうかのう。」
1.中小企業診断士とは?中小企業診断士の仕事って何?
「まあ、中小企業診断士の仕事を一言でいうと、中小企業の経営コンサルタントじゃな。まず始めに、ざっくりと中小企業診断士の仕事と、その役割について、説明していこうかのう。」
「うん、ありがとう。よろしくお願いします!」
中小企業診断士の仕事概要
中小企業診断士の仕事は、中小企業の経営コンサルタント。中小企業に対して「経営の診断」「経営に関する助言」を行うことが、中小企業診断士の仕事です。
グローバル化、少子高齢化、IT(情報技術)化など、時代の変化に伴うさまざまな問題に悩む中小企業を「帆船」に例えるなら、中小企業診断士は、経営を正しい方向へ導く「羅針盤」の役割を果たしているといえるでしょう。
具体的には、「成長戦略(企業が成長するための計画)のアドバイス」や「成長戦略を実行するための各種施策の提案・支援」「行政および金融機関と中小企業をつなぐパイプ役」などの仕事・役割があります。
中小企業診断士には、高度な専門知識と能力を生かした、幅広い役割が期待されています。
「ふ~ん。中小企業診断士は『企業の羅針盤』か。わかりやすい例えだね。ところで、何で中小企業限定なの?」
「ふむ。それにはまず、日本の中小企業の現状を知っておく必要があるのう。」
企業診断士ではなく中小企業診断士!中小企業限定のワケ?
日本における中小企業の割合
中小企業庁の集計結果※によると、2016年6月時点で日本の中小企業・小規模事業者の数は、357.8万と全体の99.7%※を占めています。また、中小企業・小規模事業者の従業者数は、全体の68.8%※と7割弱です。
この数字をみてわかるとおり、日本経済の基盤は中小企業にあるといえます。中小企業の成長が、今後の日本経済の成長のカギを握っているといってもよいでしょう。
※中小企業庁 産業別規模別従業者総数(民営、非一次産業 2016年)「企業ベース(会社及び個人の従業者総数)」非1次産業計の記載数値
「え!?中小企業が99.7%!ビックリ!!中小企業ってこんなに多かったのかあ。」
「ふむ。中小企業基本法による中小企業の定義は、資本金または出資の額で区分されるんじゃ。ちなみに、中小企業の定義を従業員数でみると、小売業50人以下、卸売業・サービス業100人以下、製造業その他300人以下、と業種ごとに異なっておる。」
中小企業の現状と中小企業診断士への期待
中小企業は規模が小さいため、大企業のような経営・成長戦略に関する専門知識・経験・ノウハウを持った部署がないことが多いです。そのため、さまざまな問題に直面し、悩んでいる中小企業が多数存在しています。こうした中小企業を正しい方向へと導くのが、中小企業診断士です。
中小企業診断士は、経済産業大臣が所管する「経営コンサルティングに関する唯一の国家資格」であり、中小企業診断士の活躍による日本の中小企業の活性化・成長が期待されています。
「日本経済を支えている中小企業。そして、その中小企業の成長を支援するのが、国家資格の中小企業診断士じゃ。国家資格ということは、国が中小企業診断士を必要とし、期待しているということじゃ。中小企業診断士の資格取得を目指すなら、中小企業診断士→中小企業→日本経済という、大きな視点でとらえておくことも、今後の勉強モチベーションアップにつながるはずじゃ。」
「うん。確かに…。なんだか、やる気になってくるな。」
2.中小企業診断士は会社内でも活用できる?資格取得のメリットとは?
「やる気になってはくるんだけど…、僕の場合、今すぐ中小企業診断士として独立開業したいわけでもなく、まず今は何か始めたいレベルなんだよね。こんな僕でも、中小企業診断士の資格取得のメリットってあるのかな?あと、そう、MBAとかいう似たような資格??もあるって聞いたんだ。」
「ふむふむ。では、まず、中小企業診断士とよく比較される、MBA(経営学修士)との違いからみていこうかのう。」
MBA(経営学修士)と中小企業診断士の違いは?
中小企業診断士とよく比較されるMBA(経営学修士/ Master of Business Administration)。MBAは、経営学の大学院にて1~2年程度で、必要な単位を一定の成績以上で修了することで得られる学位(経営学修士)です。中小企業診断士は国家資格ですが、MBAは資格ではありません。
学習内容についてみると、MBAはどちらかというと、大企業の経営に関して学ぶことが多くなります。それに対して、中小企業診断士は当然のことながら、中小企業の経営に特化したことを学びます。
しかしながら、中小企業であろうと大企業であろうと、経営の基本は共通しています。
中小企業診断士試験の学習では、「経営戦略論・組織論・マーケティング論」「財務・会計」「生産管理、店舗・販売管理 」「情報通信技術(IT)」「企業経営に関係する法律」「マクロ経済・ミクロ経済」など、とても幅広いことをを学びます。経営に関して学ぶ基本的な内容は、MBAと共通している部分が多数あります。
なお、国内MBAであれば、全日制の他、夜間・土日を中心としたプログラムを実施している大学院もありますが、海外MBAであれば、働きながら学習するのは基本的に難しくなります。対して中小企業診断士は、科目別の合格制度もあります。中小企業診断士は、働きながら学習する方が一般的です。
「MBAはその大学院によるものの、ディスカッション、グループワーク、プレゼンテーション・レポート提出などが中心。それに対して、中小企業診断士は、テキストを使ったインプット学習と、過去問や演習問題を使ってのアウトプット学習を進めていくのが中心となるんじゃ。」
「へえ…。MBAは、なんだかすごく大変そう…。」
「ふむ、MBAは大学院によりさまざまで、もちろん一概にはいえんのじゃが、費用面でみても、国内MBAでは150~400万円程度の費用がかかる。海外MBAではこれを上回り、さらに海外での家賃といった追加の生活費も必要、と費用面の負担が大きい。海外MBAであれば、基本的に授業も英語と、大きくハードルがあがるのう。」
「うーん、やっぱり、僕にはMBAはとうてい無理そうだ…。」
「対して中小企業診断士は、例えばLECのコースでは、20万円前半からと費用もかなり少なくて済む。まずはとにかく始めてみるという観点からだと、市販のテキストを1科目買って、勉強してみるということも可能じゃ。開始するハードルは、中小企業診断士の方が低いんじゃ。」
会社員として中小企業診断士は活用できる?
中小企業診断士の学習・経験を通して得られる「会社経営に関する幅広い知識」や「論理的思考力」「問題解決能力」「提案力」。これらの知識・能力は、大企業・中小企業といった企業規模、会社員・独立開業といった働き方をとわず、どのビジネスにおいても役に立ちます。中小企業診断士は、いわゆるビジネスリテラシー(ビジネスにおける基本的な能力)が幅広く身につく資格です。経営についての知識についても、体系的に広く学べる国家資格は他になく、これは中小企業診断士を学習する大きなメリットです。
具体的には、経営に関する幅広い知識を得ることによって、自分の働いている会社の問題点や解決策が見えてきます。また、本当の意味で、新聞を理解して読めるようになったり、お店にいくと店舗経営の裏側が見えてきたり、と世の中の見方が変わります。
つまり、世の中の仕組みがわかって、俯瞰(ふかん)してみる(全体として見る)ことができるようになるのです。中小企業診断士の勉強により、このように、非常に多くのメリットが見込めます。
企業内で働く中小企業診断士はどのくらい?
企業内で働く中小企業診断士の割合
J-Net21ウェブサイト「データでみる中小企業診断士2016」に記載された中小企業診断士に対するアンケートの集計をみると、プロのコンサルタントとして働く中小企業診断士(プロコン診断士)は47.0%、企業内で働く中小企業診断士(企業内診断士)は、47.4%と約半数ずつです。
「これは、都道府県協会に所属する会員の中小企業診断士を対象に実施したアンケート結果じゃ。会費を支払っている協会の会員であっても、半数は企業内診断士じゃから、資格取得者全体に占める企業内診断士の割合は、もっと多いのではないかのう。」
「へえ。企業内で活躍する中小企業診断士は多いんだなあ。」
なぜ中小企業診断士を目指したのか?
同集計にて、中小企業診断士の資格取得の動機をみると、「経営全般の勉強など自己啓発、スキルアップを図ることができるから」が28.8%と最も多くなっています。
続いて「中小企業の経営診断・支援に従事したいと思った」が19.9%、「経営コンサルタントとして独立したいと思ったから」が15.6%です。
「ちなみに、平成30年の試験データをみると、中小企業診断士第1次試験の申込者の年齢層は、30代が全体の32%、40代が全体の30%と、30~40代が6割を占めておるんじゃ。管理職の世代やそれを目指す世代に必要とされている資格ともいえるのう。」
「そうなんだ!30歳を過ぎてから、資格の勉強なんか始めて大丈夫かな…と正直不安だったんだけど、なんか安心したよ。俺と同世代、その上の世代がチャレンジしていく資格なんだね。中小企業診断士、本気で目指してみようかなあ。」
★魅力アンケート ~中小企業診断士受験生・合格者の声~
「中小企業診断士の受験生・合格者に対して仕事面での魅力を聞いてみたところ、仕事の幅が広がるが78%、スキルアップができるが67%と多かったのう。」
「確かに、経営に関する幅広い知識がつけば、仕事の幅が広がって、将来の選択肢が増えそうだな。」
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3.中小企業診断士の資格取得後の転職・就職は?
「中小企業診断士の知識は、どんな業界でも、幅広く役に立つということはわかったんだけど、特にこの業界っていうのはあるのかな?」
「ふむ。では、中小企業診断士と関連性の高い業界をみていこうかのう。」
中小企業診断士と関連性の高い業界
コンサルティングファーム
コンサルティングファーム(consulting firm)とは企業の問題点を発見し、対応改善策の提案などを主な業務とする会社です。各コンサルティングファームによって、扱う案件や分野は異なるものの、各企業から依頼を受けて、その企業の分析・助言・提案を行うことは共通しています。中小企業診断士の業務と重なる部分が多いです。
「ただ、単にコンサルティングファームとはいっても、戦略系、人事系、システム導入などを行うIT(情報技術)系やこれらを幅広く網羅した総合系など、さまざまな種類が存在するんじゃ。中小企業の戦略策定に関する業務などであれば、中小企業診断士のスキルが直接活かせる。じゃが、コンサルティングファームによっては、エンジニアとしてのスキルが中心として求められたり、営業活動が業務の中心となったりする場合など、さまざまじゃのう。」
中小企業を支援する公的機関
具体的には、「商工会議所(市)・商工会(町村)」「中小企業支援センター(都道府県の振興公社・振興センター等)」「中小企業基盤整備機構(国)」や「中小企業団体中央会(中小企業支援団体の指導機関)」があげられます。
各機関では、活動範囲や直接の支援先の違いはあります。しかしながら、いずれも営利を目的とせずに、中小企業を直接、または間接的に支援する機関である、というのは共通しています。実際の業務内容はさまざまですが、中小企業診断士の業務と重なる点は多いです。
「一般的にその機関の活動範囲が狭くなれば、中小企業経営者との距離も近くなる。じゃが、実際の職場で、中小企業診断士と関連性の高い業務ができるかどうか、仕事に占める割合が高いかどうかは別。全てに共通するが、『私は、この部分で中小企業と関わっていきたい。』という働き方のイメージ・将来像を、きちんともって転職・就職活動をすることが重要じゃ。情報収集や面談を通して、自分にあった職場がみつかれば、仕事にやりがいをもって取り組めるじゃろう。」
金融機関
金融機関、特に信用金庫においては、中小企業診断士の知識が非常に役に立ちます。信用金庫は、主にその地域にある中小企業に対してお金の貸し出しを行いますが、きちんと回収できるかの見極めだけでなく、その企業の経営がうまくいくよう、成長できるようのアドバイスを行っています。中小企業診断士の経営コンサルタントの仕事と重なります。
中小企業診断士の資格取得後の転職・就職について
中小企業診断士と関連性の高い上記の業界であっても、やはり実務経験が最重視されますし、募集が業務に関連性の高い経験者のみの場合もあります。ただ、当然その仕事に対する熱意も重要視されます。実務経験がやや弱い場合、実務経験にプラスして、知識・熱意面から中小企業診断士の資格を取得していることについて、上手にアピールすれば、転職活動が有利に進む可能性があります。
なお、学生の場合、簿記やTOEICといった資格・試験と比べ、中小企業診断士の資格を取得している割合は、圧倒的に少ないのが現状です。これは、他の学生との大きな差別化につながり、特に上記のような中小企業診断士と関連性の高い業界において、非常に有利に働くことが見込めるでしょう。
また、その他の一般企業でも、中小企業診断士の資格取得を推奨している会社を中心に、就職活動が有利に働くことが見込めます。うまく知識面と熱意を伝えることで、経営企画部門、各種管理部門などに配属される可能性も高まるでしょう。
「資格は知識面のほか、うまく使えば、仕事に対する熱意をアピールする道具にもなるんじゃよ。」
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4.中小企業診断士で独立開業!副業も!?
「あと、今は考えてないけど、中小企業診断士の独立開業についても少し気になるなあ。」
「ふむ。先に説明した中小企業診断士のメインとする経営コンサルタント業務の他、中小企業診断士が行っている業務は多数あるのじゃ。順にみていこうかのう。」
独立開業 中小企業診断士の仕事
コンサルティング業務(中小企業への診断・助言業務)
コンサルティング業務は、中小企業診断士のメイン業務。ただ、実は中小企業診断士の資格がなくてもできる業務です。
しかし、企業から直接依頼を受けるにあたり、中小企業診断士の資格があれば、経営コンサルタントとしての信用力が向上しますし、中小企業診断士同士のネットワークを活用ができるといったメリットがあります。
なお、中小企業診断士の信用力により、民間企業と経営顧問(経営上の課題について助言・指導していくこと)の契約ができれば、安定した収入につながります。
また、コンサルティングを進めていく中で、専門的な問題に直面した場合には、公認会計士・税理士・社会保険労務士・弁護士といった士業(専門資格業)の専門家への橋渡しとしての役割も求められます。中小企業診断士も同じ国家資格。資格があれば信頼度は増し、名刺交換もしやすく、交流会の参加などで、他の士業のとの人脈も築きやすくなるでしょう。
もう一つ、中小企業診断士の資格取得メリットがあります。それは中小企業診断士の資格を取得し、国や都道府県が設置する中小企業支援機関に登録することで、公的な経営支援業務に携われる可能性が高まるということです。
全国に設立された公的機関である中小企業支援センターでは、起業予定の人や問題を抱えている中小企業をサポートしていますが、窓口では、紹介を受けた中小企業診断士がコンサルティングを行う場合があります。
「その他、やはり起業や新規事業に必要となってくるのは、お金。これに対しては、国や地方公共団体が実施しているさまざまな補助金の制度がある。ただ、この補助金は誰でももらえるわけでなく、審査があり、事業計画書の提出を必要としているのが一般的じゃ。中小企業診断士が、該当する補助金制度の紹介や、事業計画書の記入について、アドバイス・サポートを行ったりもしておるんじゃよ。」
研修・講演・講師
企業が行う各種研修の社外講師として、商工会議所などの行政機関などで講義や講演を行います。専門分野を確立すること、書籍を出版したりして一定の知名度があることなどが必要となってきますので、中小企業診断士としての実務経験を積んでからとなることが多いでしょう。また資格スクールにて講師として勤めたり、教材を制作するケースもあります。
執筆活動
中小企業診断士としての知識・経験を生かして、新聞・雑誌・ウェブサイトなどでの記事を執筆したり、自分の本を出版するための執筆活動を行います。また、すぐに収入にはつながりませんが、自分のブログを立ち上げて、中小企業経営者にとって役に立つ記事を書いていくというのも、活動の1つです。
これらの執筆活動を行うことで、より多くの人に自分を知ってもらい、その記事を見た人から講演の依頼を受ける→その講演を聞いた人からコンサルティング業務の依頼を受ける、といったような仕事につながる好循環サイクルの拡大につながることも見込めます。
「なるほど、アイデア次第で、できることはたくさんありそうだなあ。でも、コンサルティング業務は、中小企業診断士でなくてもできちゃうのか。。。」
中小企業診断士に独占業務はないのはデメリット?
中小企業診断士には、他の司法試験、公認会計士、税理士、社会保険労務士などの国家資格にはある独占業務がありません。確かに独占業務があるのは、非常に大きなメリットです。しかし、その反面、その枠組みの中での仕事となるため、業務の差がでにくい単純な申請代理業務であればあるほど、有資格者が増えれば増えるほど、必然的に、その独占業務を取り合う競争は激しくなってしまいます。
中小企業診断士には、独占業務がありません。裏を返せば、何でも幅広くできるということです。競争相手の少ないところや、自分の得意な分野を自ら探して業務を行うことができます。
中小企業診断士は広く浅い知識が必要とされる資格ですので、分野によっては、今までの経験が生かしやすいでしょう。独立開業を目指すなら、今までの経験を生かし、何か1つとがったスペシャリティ(専門性)を持ちましょう。中小企業診断士の独立開業を成功させるためには、これがとても重要です。
「まずは副業が可能なら、できるところから始めてみるのも一つの手じゃ。副業をしながら、世の中の需要と競合状況を見極めつつ、また自らの専門性も高めていくことで、リスクを最低限に抑えることができる。こういう論理的、戦略的な進め方も、中小企業診断士が得意とするところじゃのう。」
「なるほど~、自分の独立開業にも中小企業診断士の知識が役立つのかあ。一石二鳥だね!」
「ふむ。実際に独立開業した中小企業診断士も、いきなり独立するのではなく、まずは副業として始めて、軌道にのってから独立をする人も多いようじゃ。『小さく始めて大きく育てる』『やりながら軌道を修正していく』というのは、ビジネス成功の鉄則じゃからな。」
「なるほど!ライスタ博士の話はすごく役に立つよなあ!なんだか俺も、新しいことにチャレンジしたくなってきたぞ!!」
★仕事以外の魅力アンケート ~中小企業診断士受験生・合格者の声~
「アンケートをみると、仕事以外の魅力に関しては、人脈が広がるが78%、自分に自信がつくが56%と回答が多かったのう。経営コンサルタントとして独立開業する際には、この人脈がとても重要じゃ。そして自信もじゃな。」
「うん、将来的に中小企業診断士として、独立開業を目指すにしても、まずは勉強をはじめないとだね。」
「そうじゃな。まずは勉強も始めていく中で、『ああ自分はこの分野が得意だなあ。』とか『これは楽しいから、もっと詳しくなりたいな!』など、たくさん見えてくることがあるはずじゃ。やりたいこともできることもさっぱりわからない、というのなら、幅広いことを学ぶ中小企業診断士の勉強をしながら、自分の道を見極めていくというのも、よいのでは?最終的にどういう道に進んだとしても、中小企業診断士の勉強を通して得た知識・能力は、きっとどこかで役に立つはずじゃ。」
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5.ガッツリ高収入も目指せる!?中小企業診断士の年収は?
「あとはやっぱり、中小企業診断士の年収が気になるなあ…。」
「ふむ。資格選びの際には、『やりがい』と『収入面』の両面からみていくことが重要じゃ。資格を取れば誰でも、というわけではないが、目安となるデータを一緒にみていこうかのう。」
中小企業診断士の年収について
J-Net21ウェブサイト「データでみる中小企業診断士2016」をみると、コンサルティング業務の日数が1年間で100日以上と回答している方の、コンサルタント業務の年間売上(または年収)は、「501~800万円以内」が19.9%、「1,001~1,500万円以内」18.8%。「1,001万円以上」の割合は38.0%と、中小企業診断士は、高い収入が見込めることがわかります。
当然のことながら、実際には独立中小企業診断士の中でも、働き方・経験によって、年収にはかなり大きな開きがあります。
例えば、公的業務中心としているか、民間業務中心としているかでも大きく異なります。同集計によると、公的業務がかなり高いと回答した中小企業診断士の診断報酬平均は、47.5千円/日。それに対して民間業務がかなり高いと回答した中小企業診断士の診断平均報酬は、105.2千円/日と、倍以上。民間業務中心の方が報酬が高いことがわかります。
「逆に500万円以下の人も27.2%おる。1,000万円を超える人は、個人の強み・売りがきちんとあり、それで研修を行ったり、コンサルを行っているんじゃないかのう。500万円以下の人は、まだ開業したばかりであったり、報酬が少なめの公的な仕事をメインで行っているのではないかと予測される。」
「うん。なるほど。当たり前だけど、やっぱり年収って、一概にはいえないんだね。」
「民間業務を中心としていき、年収アップできるかというポイントは、需要のある分野において、自分に強み・売りがあるかということじゃ。専門性が高く、他の人ではできず、また需要のある分野であればあるほど、収入アップが見込める。自分の強み・売りをつくって明確にし、かつ中小企業診断士の知識・信頼や人脈などをうまく活用することが重要じゃ。」
★年収アンケート ~中小企業診断士受験生・合格者の声~
「中小企業診断士受験生・合格者に対するアンケートによると、1,000万~1,500万円を目指している人が最多じゃ。」
「へえ、みんな、すごい高収入を目指しているんだね。」
「先に説明したように、実際に高収入の中小企業診断士も多い。先輩の年収をみて、自分の年収の目標値を定めておくことは、勉強の際のモチベーション維持にも役立つはずじゃ。」
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6.AI時代でも負けない!?中小企業診断士の将来性
「ライスタ博士のおかげで、かなり中小企業診断士の仕事についてイメージができたよ。最後にもう一つだけ、中小企業診断士の将来性って、どうなのかなあ?」
「ふむ。将来性の話となると、世の中の流れ、特にAI(人口知能)の話はしっておきべきじゃ。」
中小企業診断士に将来性はあるか?
近年、AI(人口知能)の進化によって、従来の単純な仕事の多くは、次々となくなっていくであろうと言われています。
これは、単なる一般の事務職だけでなく、公認会計士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士などの専門職でも、AIによる代替可能性のある業務割合が高い、といわれています。定型業務はAIにより自動化され、従来からの仕事のやり方は今後変わっていくことが推測されます。
ただ、その中で、2017年9月に日経新聞に掲載された、『2015年12月公表の野村総研と英オックスフォード大との共同研究による「10~20年後にAIによって自動化できるであろう技術的な可能性」』によると、中小企業診断士のAIによる代替可能性は、0.2%と非常に低い数値でした。
これは、経営コンサルティングという複雑な非定型業務について、AIによる代替は、まだまだ非常に難しいということでしょう。言い換えれば、AIが進化し、この世の中から多くの仕事がなくなるといわれる中でも、中小企業診断士の業務は将来性がある、ととらえることもできます。
今までの歴史上も、時代の変化に伴い、多くの仕事が無くなり、また新しい仕事が生まれ、変化してきました。中小企業診断士の業務においても、コンサルティング業務自体のAIによる完全な代替は難しいとしても、例えば、ビッグデータ※の活用、データ分析などにおいては、AIツールをうまく活用していくことなどが求められていくでしょう。
※「ビッグデータって何?」・・・構造化されていない日々蓄積される大規模データなども含む、従来扱ってきたデータの量を大きく超えるさまざまなデータ。従来は活用できなかったこれらの膨大なデータが、最新技術を使うことで活用できようになってきており、さまざまな情報の可視化と予測、それらに基づく新規事業・商品・施策などの最適化ができるといわれています。
「ライスタ博士、たくさんありがとう。いろいろ教えてもらって、やっぱり俺、自分の将来のために、中小企業診断士の勉強をはじめることに決めたよ!」
「ほう!わしも大輔にそういってもらえると、非常にうれしいのう。最後に中小企業診断士合格者・受験生のアンケートから中小企業診断士に向いている人について紹介しようかのう。」
★向いている人アンケート ~中小企業診断士受験生・合格者の声~
「知的好奇心や向上意欲、貢献意欲が高い人」(40代会社員 男性)
「自分の生活範囲だけでなく、さまざまなことに対して視野を広く持てる人」(30代 男性)
「向上心のある人」(20代歳会社員 男性)
「人の話をちゃんと聞ける人」(50代会社員 男性)
「傾聴力のある方」(40代会社員 男性」
「聞き上手な人」(30代会社員 男性)
「物事の判断力など優れている人」(40代士業 男性)
「落ち着いて構えていられる人」(30代アルバイト 女性)
「コツコツがんばれる人」(40代派遣社員 男性)
「とことんサポートしてあげられるひと」(50代会社員 女性)
「なんだか、みんなの声から、中小企業診断士の仕事をしている姿が、リアルにみえてきたぞ!俺もみんなに負けずに頑張って、絶対に中小企業診断士になる!!」
「ふむ。モチベーションがあがった今こそ、簡単な次の行動を今すぐするべきじゃ。時間が立てば立つほどモチベーションが下がり、また無駄に時間が過ぎていってしまうからのう。」
「うん!今すぐ資料請求をして、資格・講座の情報収集するぞ!!!」
まとめ
いかがでしたか。「中小企業診断士の仕事」「資格取得のメリット」「転職・就職」「独立開業」「年収」「将来性」について、一緒にみてきました。中小企業診断士についてのイメージはできたでしょうか。
LEC東京リーガルマインドでは無料で資格・講座の資料をお届けしています。興味をもたれた方は、資料請求をされてみてはいかがでしょうか。
多数のウェブサイト記事のある中、最後までお読みいただきありがとうございました。
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中小企業診断士 試験情報~経営コンサルタントの国家資格~
<登場人物>
ライスタ博士:年齢不詳。資格取得に悩める人達を救うべく、日々資格情報を提供し各種相談を受けている資格博士。なぜか質問者がため口になってしまうほど親しみやすい。
大輔:31歳会社員営業職。三十路を過ぎたものの、今の自分には社外で通用するようなキャリアが何もないのでは?と不安に思っている。最近聞いた中小企業診断士に興味をもつ。