[社会保険労務士(社労士)]は、企業において重要な[人・物・金・情報]という4大要素のうち、特に重要な「人」に関する専門家です。企業において、みんなが快適に働けるようにサポートする、とても欠かせない存在です。
具体的な仕事内容としては、あらゆる人事労務に関する問題や年金問題などの、相談・手続き業務や指導など、多岐にわたります。
ほとんどの方が、働きながら挑戦する資格であり、かつ、士業の中では女性に最も人気がある資格です。
1.難易度
(難しい)
難易度は上昇傾向!
ここ10年の合格率は、高くても10%程度で、最も合格率が低かった平成27年度は、2.6%でした。
平成30年度の合格率は6.3%でしたが、今後も難化傾向は続くと考えられます。
しかし、十分な受験対策行えば、比較的短期間で合格も可能な資格です。
2.受験資格
社会保険労務士の受験資格は、かなり細かく設定されており、条件が記載しきれないほどあります。
下記に記載したものは、代表的な受験資格であり、他にも多数条件などがあります。
詳しくは、「全国社会保険労務士会連合会 試験センター」のホームページ(HP)をご確認ください。
【学歴】
- 4年制大学で在学中の者を含む、一般教養科目の学習の終わった方
- 大学(短期大学を除く)において、62単位以上を修得した方
- 短期大学または高等専門学校(高専)を卒業した方 など
【資格】
- 司法試験の第1次試験に合格した方
- 行政書士となる資格をお持ちの方
- 厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した方 など
【職歴】
- 国家公務員または地方公務員として、行政事務に従事した期間が通算して3年以上の方
- 社会保険労務士または弁護士業務の補助の事務に、従事した期間が通算して3年以上の方
- 国または地方公務員として労働社会保険諸法令に関する事務に、従事した期間が通算して3年以上の方 など
社労士試験の受験資格を見る (全国社会保険労務士会連合会HPへ)≫
3.試験方式・科目
試験は、選択式と択一式の筆記試験によって行います。
[選択式] ⇒ 各科目 1問(5点) 合計8問:(40点)
労働基準法及び労働安全衛生法
労働者災害補償保険法
雇用保険法
労務管理その他の労働に関する一般常識
社会保険に関する一般常識
健康保険法
厚生年金保険法
国民年金法
[択一式] ⇒ 各科目10問(10点) 合計70問:(70点)
労働基準法及び労働安全衛生法
労働者災害補償保険法
雇用保険法
労務管理その他の労働に関する一般常識 / 社会保険に関する一般常識
健康保険法
厚生年金保険法
国民年金法
4.試験実施会場
全国各地で実施。
※希望試験会場の受付は申込みの受付順。
5.試験の年間スケジュール
4月中旬~5月下旬 | 願書配布・出願 |
8月最終日曜日 | 本試験 |
11月上旬 | 合格発表 |
☆合格後、全国社会保険労務士会連合会の名簿に、登録(実務経験2年以上又は事務指定講習の修了が必要)を行って初めて、社会保険労務士として活動できます。
6.どんな人が合格しているの?
▼年齢・性別・職業は?
2018年(平成30年度)社会保険労務士の合格者は以下の通りです。
最低年齢:20歳/最高年齢:84歳
男性:65.1%/女性:34.9%
【年齢別割合】
20代以下 | 9.2% |
30代 | 29.5% |
40代 | 32.8% |
50代 | 19.2% |
60代以上 | 9.3% |
【職業別割合】
会社員(57.4%)、無職(13.6%)、公務員(6.2%)、団体職員(5.3%)、 自営業(5.2%)、役員(3.1%)、学生(0.5%)、その他(8.7%)
30代~40代の合格者が全体の6割以上を占めており、20代以下や学生の受験者・合格者が少ないのが特徴です。
企業で実際に働きだした後に、社労士という職業の必要性を知る人が多いからではないでしょうか。
また、合格者の3人に1人が女性であり、士業の中では特に、女性が活躍できる資格ということがいえます。
■最後に■
社会保険労務士(社労士)の試験情報についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
どんなにIT化が進んでも、企業において最も重要なのは「人」であり、その専門家が「社労士」です。今後も少子高齢化は進んでいくため、年金の専門家でもある「社労士」の重要性は、ますます高まっていくでしょう。
試験のことがわかったら、需要が高まる「社労士」の仕事や魅力についても、知っていただけると幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。