【旅行業務取扱管理者】には、国内のみを取り扱うことができる【国内旅行業務取扱管理者】と、国内・海外両方の旅行を取扱いできる【総合旅行業務取扱管理者】の2種類があります。
旅行業者やその代理店は、営業所ごとに「旅行業務取扱管理者」を1人以上選任し、一定の管理及び監督業務を行わせることが義務付けられており、旅行業界で働く人にとっては必須の資格です。
国家資格の中では、比較的取得しやすい資格のため、旅行・観光業界で働く人、これらの業界への就職・転職を目指す人はもちろんのこと、旅行が好きな人が趣味的に挑戦することが多いというのも特徴です。特に、自分で旅行を手配したりしている人にとっては、学んでいて楽しいだけでなく、魅力的な旅のプランを手際よく作れるようになるため、とてもおススメな資格です。
1.難易度
【国内旅行業務取扱管理者】
(易しい)
過去5年間(2014年~2018年)の全体の合格率は、29.3%~39.6%となっており、国家資格の中では比較的合格率が高い試験です。そのため、十分な勉強期間を確保して努力すれば、合格できる試験といえるでしょう。
【総合旅行業務取扱管理者】
(ふつう)
試験には科目免除制度があるため、受験区分によって合格率は大きく異なりますが、過去5年間(2014年~2018年)の全体の合格率は22.8%~27.1%となっています。
受験区分A(全4科目受験)の場合、8.8%~16.4%とかなり低い合格率となっており、国内旅行業務取扱管理者試験に比べると、圧倒的に難易度は上がります。
国内旅行業務取扱管理者試験に合格していると、「総合」試験のうち、2科目が免除されますので、時間に余裕がある方は、先に「国内」の資格をとってから受験する方が確実です。しかしながら、「総合」受験者の半数以上は受験区分A(全4科目受験)で受験している、というのが現状です。
「試験はどちらも年1回!【国内】の試験に合格した年に、【総合】を一部科目免除で受験することは、受験願書締切日の関係上できないから、一気に【総合】をとっちゃおうってことで、チャレンジする人が多いのかもね。」
2.受験資格
【国内】【総合】ともに、受験資格はありません。
学歴、年齢、経歴、国籍等についての制限はなく、誰でも試験を受けることができます。
3.受験料
【国内】5,800円/【総合】6,500円
4.試験形式・科目・時間
▼試験形式・合格基準
【国内】【総合】ともに、全てマークシート方式。
合格基準は、各科目において、満点の60%以上。
【国内】
▼試験科目・時間
【全3科目】
(1)旅行業法及びこれに基づく命令
(2)旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
(3)国内旅行実務
(運送機関及び宿泊施設の利用料金その他の旅行業務に関連する料金/旅行業務の取扱いに関する実務処理)
【試験時間】
13:30~15:30(120分間)
※本年度又は前年度の国内旅行業務取扱管理者研修修了者、前年度の国内旅行業務取扱管理者試験科目合格者など、対象者は一部科目免除を受けることが可能です。科目免除の詳細などは、一般社団法人全国旅行業協会ホームページをご確認ください。
【国内】試験の科目免除の詳細を見る (全国旅行業界ホームページ)≫
【総合】
▼試験科目・時間
【全4科目】
(1)旅行業法及びこれに基づく命令
(2)旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
(3)国内旅行実務
(本邦内の運送機関及び宿泊施設の利用料金、その他の本邦内の旅行を取り扱う旅行業務に関連する料金)
(その他本邦内の旅行業務に関する実務)
(4)海外旅行実務
(本邦外の運送機関の利用料金、その他の本邦外の旅行業務に関連する料金)
(旅券の申請手続、通関手続、検疫手続、為替管理その他の本邦外の旅行業務に必要な法令)
(本邦及び主要国における出入国に必要な手続に関する実務)
(主要国の観光) / (本邦外の旅行業務に必要な語学) / (その他本邦外の旅行業務に関する実務)
【試験時間】
第1時限(①業法、 ②約款) 11時00分~ 12時20分(80分)
第2時限(③国内旅行実務、 ④海外旅行実務) 13時30分~ 15時30分(120分)
※国内旅行業務取扱管理者有資格者、本年度又は前年度の総合・国内旅行業務取扱管理者研修修了者など、対象者は一部科目免除を受けることが可能です。科目免除の詳細などは、一般社団法人日本旅行業協会ホームページをご確認ください。
「特に【総合】の試験は、観光地の情報などもすごく範囲が広くて細かいから、旅行のガイドブックなどを見て知識を深めっていう合格者は多いよ。」
【総合】試験の科目免除の詳細を見る (日本旅行業界ホームページ)≫
試験科目の一部免除制度を【国内・総合】まとめて一覧で見る (LECホームページ)≫
5.試験実施会場
【国内】
全国9地域
(1) 北海道(札幌市)、(2) 宮城県(仙台市)、(3) 埼玉県(草加市)、(4) 東京都(都内3会場)、(5) 愛知県(名古屋市)、(6) 大阪府(吹田市)、(7) 広島県(広島市)、(8) 福岡県(福岡市)、(9) 沖縄県(那覇市)
【総合】
全国8地域
(1) 北海道(札幌市)、(2) 宮城県(仙台市)、(3) 東京都(3会場)、(4) 愛知県(名古屋市)、(5) 大阪府(2会場)、(6) 広島県(広島市)、(7) 福岡県(福岡市)、(8) 沖縄県(那覇市)
6.試験の年間スケジュール
【国内】
6月上旬~7月上旬 | 受付期間 |
8月中旬ころ | 願書配布 |
9月第1週の日曜日 | 本試験 |
10月下旬 | 合格発表 |
【総合】
7月上旬~8月上旬 | 受付期間 |
9月中旬~下旬 | 願書配布 |
10月第2週の日曜日 | 本試験 |
11月下旬 | 合格発表 |
7.どんな人が合格しているの?
2018年度(平成30年度)の旅行業務取扱管理者試験の合格者データは、下記の通りとなっています。
【国内】
注) ⑤は、①~④以外の者 (公務員、派遣社員を含む)。⑦は、無職又は①~⑥以外の者。
合格者を年齢別に見ると、24歳までで50%を占めており、かなり若い世代に人気がある資格ということがわかります。
職業別内訳でも、約半数が学生というのは、他の国家資格には見られない特徴です。これは、旅行会社などに内定をもらった大学生や旅行関連の専門学生などが、就職前に受験を推奨されることが多い、ということも要因の1つだと考えられます。
旅行・観光業界ではない会社員の合格者も20%を占めており、こういった業界に興味があったり、旅行が好きで、趣味感覚で資格を取得する人も多いということがわかります。
「ちなみに合格者の男女比は、男性51%:女性49%となっていて、ほぼ同じ割合なんだよ。国家資格の合格者は、多くても女性は2割程度のものが多いことを考えても、女性にかなり人気がある資格ってことがわかるね。」
※データについては、全国旅行業協会ホームページより引用。
【総合】
「国内」試験より難易度がぐんとアップするので、合格者の年齢もやや上がり、30~39歳の合格者が最も多い26%となっています。とはいえ、29歳までが約半数を占めており、国家資格の中では比較的若い世代の合格者が多いことがわかります。
「国内」試験の合格者と比べると、職業別割合は大きく異なり、旅行関連の仕事をしている人が合格者の約半数を占めています。「国内」の場合は、趣味的に資格取得する人も多いですが、「総合」は比較的、仕事に必要だから取得するという人が多いようです。
「【国内】試験ほどではないけど、専門学生と大学生を合わせると、全体の27%も学生の合格者がいるっていうのは、やっぱり国家資格では珍しいね。学生の受験者は、【国内】試験と同様に、旅行関連の業界に内定した人や就職を目指す人が受験しているパターンが多いよ。」
※データについては、日本旅行業協会ホームページより引用。
※上記内容は、情報を保証するものではございません。日程などが変更される場合もございますので、必ずご自身で各実施団体のホームページなどでご確認ください。
<登場人物ご案内>
ふくちゃん:とっても賢く、資格を知り尽くしている。博士っぽい見た目だが、中身は幼くかわいいキャラクターのため、ふくちゃんと呼ばれている。