【土地家屋調査士】不動産登記の「表示に関する登記」を、お客様の代わりに申請できる唯一の資格です。
高度な法律知識が必要とされるのに加え、土地や建物の形状、面積などは精度の高い厳密な調査・測量の結果であることが法律によって求められています。これらをスムーズに正確に行うことができる「土地家屋調査士」が、表示に関する登記を一手に引き受けて活躍しています。この世の中に土地や建物などの「不動産」がある限り、業務に際限がないため、公共性が高く安定した資格です。年間で約1200件もの登記事件(申請業務)があるにも関わらず、会員(登録者)数は近年、減少傾向にあるため、さらに担う需要は広がっています。
難易度
(難しい)
試験は筆記試験と口述試験の2段階方式で実施されます。
筆記試験に受験資格はなく誰でも受験できます。また口述試験は筆記試験合格者のみ受験資格があります。
筆記試験には択一問題と書式問題の2種類ありますが、択一問題で基準点を突破した者だけが書式問題の採点をしてもらえるなど厳しい側面もあります。そのため、択一問題で8割以上の得点をとれることを目標に学習を行う必要があります。
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受験資格
筆記試験:制限なし(どなたでも受験できます)
口述試験:筆記試験合格者
試験科目・内容
<筆記試験>
試験内容
・午前の部 平面測量10問/作図1問 ※
・午後の部
[択一試験] 不動産の表示に関する登記」につき、必要と認められる事項(不動産登記法/民法他 計20問)
[書式試験] 土地1問/建物1問
出題形式
[択一試験] 多肢択一式20問(1問2.5点の50点満点)民法3問/不動産登記法16問(筆界特定1~2問を含む)/土地家屋調査士法1問
[書式試験] 土地に関する問題、建物に関する問題 各1問(計50点満点)
※測量士、測量士補、一級・二級建築士の有資格者は、「午前の部」が免除となります。
このうち、比較的負担が少なく、土地家屋調査士の午後の部試験と学習を両立しやすいのが測量士補です。
測量士補試験は、土地家屋調査士の午前の部試験を受験するよりも負担が少ないため、測量士補資格の取得は土地家屋調査士受験生の定石となっています。
[午前の部] 9:30~11:30
[午後の部] 13:00~15:30
<口述試験>
試験内容:業務に必要な知識について、1人15分程度の面接試験
試験対策について
「不動産登記法」を中心に出題されますが、合否は僅差で決まる傾向が続いています。
20問出題される択一問題で、一定以上の正解(基準点)を得なければ書式問題の採点をしてもらえません。
また書式問題では、丸暗記した知識だけでは合格点に達する解答ができない試験内容となっています。
試験対策の要点としては以下が重要です。
・択一は、8割以上の得点を目標に学習をすすめること
・書式は、「なぜそうなるのか」についての理解と手続きの把握が必要
土地家屋調査士試験スケジュール
願書出願:例年7月下旬~8月中旬
筆記試験:例年10月の第3日曜日
筆記試験合格発表:例年1月上旬
口述試験:例年1月の第3週
口述試験合格発表:例年2月中旬
どんな人が合格しているの?
平成30年度の合格者は以下のとおりです。
<筆記試験>
年齢
平均40.16歳
最高齢70歳(2名)
最年少19歳(1名)
年齢別合格者数
20歳未満:0.2%
20歳以上25歳未満:2%
25歳以上30歳未満:11%
30歳以上35歳未満:18%
35歳以上40歳未満:20%
40歳以上45歳未満:18%
45歳以上50歳未満:16%
50歳以上55歳未満:6%
55歳以上60歳未満:5%
60歳以上65歳未満:2%
65歳以上70歳未満:1%
70歳以上:0.5%
受験地別合格者数
東京:173名
大阪:53名
名古屋:64名
広島:16名
福岡:50名
那覇:3名
仙台:39名
札幌:8名
高松:12名
合格者の平均年齢が35歳~40歳未満が最も多く、その前後の年齢層を含め30歳~50歳未満までと、他の資格試験に比べて年齢層が高いのが特徴です。このことから、独立開業を見据えて、合格を目指す社会人が多いということが言えます。
また、20代の合格者は圧倒的に少ないため、今後の活躍が期待されています。
※上記内容は、情報を保証するものではございません。日程が変更される場合もございますので、必ずご自身で各実施団体のホームページなどでご確認ください。