【賃貸不動産経営管理士】は、主に賃貸アパートやマンションなど賃貸住宅の管理に関する知識・技能をもった専門家です。賃貸住宅管理に関する幅広い知識や経験に加え、公正中立な立場で職務を行う高い倫理観を兼ね備えています。安心・安全な住生活の提供、紛争の未然防止等の観点から的確な情報提供のできる専門家として、賃貸住宅管理業務の適正化と賃貸不動産市場の健全化に貢献しています。
賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅の入居者とオーナーに寄り添う心強い味方です。また、国土交通省による、2016年9月の賃貸住宅管理業者登録制度の改正により、賃貸不動産経営管理士に重要な役割が付与され、今後の活躍がますます期待されています。
1.賃貸不動産経営管理士試験の難易度や合格率・必要な勉強時間は?
(かなり易しい)
「賃貸不動産経営管理士試験は、歴史が浅い試験であるため、問題がシンプルで、基本的な問題を中心に出題されていて、合格率 50.7%(2018年度試験結果)と、現在は比較的合格しやすい公的資格なんだよ。
でも、年を追うごとに合格率は段階的に引き下げられていて、今後はさらなる難化が予想されるよ。また、2020年試験から国家資格化を見据えた、試験の出題数および試験時間の変更が予定されていて、これに伴い難易度が上昇する可能性もあることから、早めの受験がお薦めだよ。」
◆賃貸不動産経営管理士試験の合格率は?
「下記の試験結果統計一覧によると、賃貸不動産経営管理士試験の合格率は非常に高く、2017年以外はいずれも50%を超えているよ。また、一般受験者が50.7%であるのに対して、「賃貸不動産経営管理士講習(4問免除)※」修了者の合格率は53.7%とさらに高いため、「賃貸不動産経営管理士講習(4問免除)※」の利用も短期合格へのカギとなるよ。」
※令和元年度 賃貸不動産経営管理士講習のご案内を見る((賃貸不動産経営管理士協議会ホームページへ)≫
<賃貸不動産経営管理士試験 過去試験結果統計>
平成30年度 試験結果統計の詳細を見る(賃貸不動産経営管理士協議会ホームページへ)≫
賃貸不動産経営管理士試験 試験結果統計を見る(LECホームページへ)≫
◆難易度や勉強時間は?
賃貸不動産経営管理士試験は、あらかじめ一定数の合格者を設定している試験ではなく、一定の基準をクリアすれば合格できる試験です。いわば、勉強した労力が報われる試験であるともいえます。2020年試験からは難易度の上昇が予想されるものの、合格率が約半分程度と非常に高いため、きちんと勉強して臨めば、十分に合格できる試験です。
「試験は協議会指定の公式テキストから出題されるため、基本的な知識を問う出題となっていることが多く、比較的誰でも対策しやすい試験だよ。
また、賃貸不動産経営管理士試験は、宅建士試験と学習科目が被るため、効果的な学習順序としては、10月の宅建士試験を受験した後から学習を開始し、11月の経営管理士試験を目指すのがお薦めだよ。勉強時間は、宅建試験後のおよそ1ヵ月程度の学習で十分だよ。」
賃貸不動産経営管理士試験だけを受験される方も、公式テキストと過去問4年分を対策する期間として、4問免除の有無や個人差はあるものの、およそ1~2ヵ月程度の学習期間と考えておけばよいでしょう。
「学習には、賃貸不動産経営管理士協議会指定の『賃貸不動産管理の知識と実務 公式テキスト』を使用するんだけど、ページ数が1000ページ以上あり、かなり分厚いテキストなんだ。宅建士試験後のおよそ1ヵ月の学習期間で合格を目指す場合は特に、学習に費やせる期間はおよそ1ヵ月程度しかなく、いざ学習を開始しようと思っても、公式テキストの在庫切れなど、不測の事態が起こることも考えられるので、公式テキストは必ず事前に購入しておくのがお薦めだよ。可能であれば、宅建士の学習期間中も、公式テキストを手元に置いておくといいよ。」
賃貸不動産経営管理士の試験問題は、2017年度試験から新たに導入された「個数問題、組み合わせ問題」の対策が必要です。そのため、どの試験にも言えることですが、過去問題をしっかり押さえておくことも必要です。過去問は協議会のページから過去4年分がダウンロードできますので、ぜひ活用しましょう。
また、「賃貸不動産経営管理士講習(4問免除)※」を受けておくこともお薦めです。講習は公式テキストを使用して計2日間で実施されます。誰でも受講することができ、受講修了者は、2019年試験までは出題40問のうち4問が免除され、2020年試験以降は出題50問のうち5問が免除されます。合格基準点が毎年変わる形式の試験において、4点のアドバンテージは非常に大きいため、可能な場合は、4問免除申請をして試験を受験することを視野に入れてもよいかもしれません。
※受講修了者の免除適用期間は計2年間です。
※賃貸不動産経営管理士講習(4問免除)とは?
賃貸不動産経営管理士講習は、賃貸不動産経営管理士協議会発行の公式テキスト「賃貸不動産管理の知識と実務」を教材として使用し、賃貸管理業務に必要な専門知識の習得と実務能力を高めていただくための講習です。本講習の修了者は、本試験において、出題40問のうち4問が免除されます(※修了年度より2年間有効)。2020年に行われる試験は、出題50問のうち、5問が免除されます。
令和元年度 賃貸不動産経営管理士講習のご案内を見る((賃貸不動産経営管理士協議会ホームページへ)≫
◆どんな人が受験しているの?宅建や管理業務主任者との違いは?
賃貸不動産経営管理士試験は、どなたでも受験できます。不動産業従事者だけでなく、自主管理の家主や不動産業界へ就職を目指す学生、より知識を深めたい社会人など、毎年多くの方が受験しています。
「そもそも不動産関連の国家資格といえば、国土交通省が管轄する宅建士、マンション管理士、管理業務主任者、不動産鑑定士、法務省が管轄する土地家屋調査士、司法書士など、数多くの資格があげられるよ。これらの資格は、不動産ビジネスの適正化をサポートする専門家として、大きな役割を担っているよ。
ここでは、賃貸不動産経営管理士と最も関わりの深い計3つの資格試験について、2018年度試験結果を、賃貸不動産経営管理士試験と比較してみたよ。」
<賃貸不動産経営管理士と関連資格との比較>
「合格率だけを見ると、賃貸不動産経営管理士の合格のしやすさは、他の資格と比べても群を抜いているよ。受験生の2人に1人は合格できるよ。そのため、合格率という観点からいえば、賃貸不動産経営管理士は合格しやすい資格であるといえるよ。
次に試験内容について比較すると、賃貸不動産経営管理士試験は問題のボリュームが、他の試験の50問よりも10問少ないため、こちらもまた比較的取り組みやすいといえるよ。ただし、2020年以降は賃貸不動産経営管理士試験も他試験と同じ50問へ変更となるよ。
合格基準点は、いずれの資格試験ともに、明確に定められておらず、実施年度ごとに設定されているよ。あくまで平均値となるけれど、正答率だけで比べると、管理業務主任者試験が最も合格しやすく、次が賃貸不動産経営管理士試験となるよ。また、最も難しいのがマンション管理士試験ということになるね。
業務内容や求められるスキルを考えると、賃貸不動産経営管理士と親和性が高い資格は、マンション管理士や管理業務主任者となるよ。」
また、賃貸不動産経営管理士は、誰でも受験できる試験ですが、いざ合格して登録を行う際には、協議会が認定する管理業務を2年以上経験することが条件※となっています。「宅地建物取引士、または、協議会が認める賃貸不動産関連業務に2年以上従事している、または、従事していた者」という要件が定められているため、登録できるまでのことを考慮すると、宅建士とのダブルライセンスが最も有効であるといえます。
※宅建士試験の合格者が、都道府県知事の資格登録(宅地建物取引証の交付)を受けるためには、登録申請時までに宅地建物の取引に関する2年以上の実務経験が必要です。 実務経験2年未満の方が、資格登録要件を満たすためには、国土交通大臣の登録を受けた講習(宅建登録実務講習)を受講して、修了する必要があります。
賃貸不動産経営管理士の登録を見る((賃貸不動産経営管理士協議会ホームページへ)≫
以上のことから、賃貸不動産経営管理士は、他の資格と比べて合格率が非常に高く、合格基準点も比較的低いため、誰もが目指しやすい資格であるといえるでしょう。また、宅建士や管理業務主任者とのダブルライセンスやトリプルライセンスを視野に入れて、将来のビジョンを考えてみるのも良いでしょう。
賃貸不動産経営管理士ってどんな試験?
賃貸不動産経営管理士試験は、賃貸不動産経営管理士を国家資格化する動きが本格化してから、注目度が高まり、受験者が急増している、いま注目の試験です。直近5年間で、受験者数が約4倍以上まで増加しており、その人気度が年々ますます高まっています。
◆試験内容・試験形式・合格基準は?
[受験資格] 年齢、性別、学歴等に制約はなく、どなたでも受験できます。※資格登録には一定の要件があります。
[試験科目・内容]
賃貸管理に関する実用的な知識を有するかどうか等を判定することに基準を置くものとし、試験すべき事項はおおむね次のとおりとする。
・賃貸管理の意義・役割をめぐる社会状況に関する事項
・賃貸不動産経営管理士のあり方に関する事項
・賃貸住宅管理業者登録制度に関する事項
・管理業務の受託に関する事項
・借主の募集に関する事項
・賃貸借契約に関する事項
・管理実務に関する事項
・建物・設備の知識に関する事項
・賃貸業への支援業務に関する事項(企画提案、不動産証券化、税金、保険等)
※問題中法令に関する部分は、平成31年4月1日現在施行されている規定に基づいて出題する。ただし、同日以降に施行される法令に関する問題を、その旨を明示したうえ出題する場合もある。
[出題形式] 四肢択一40問 ※2020年試験からは四肢択一50問へ変更
[合格判定基準]
「明確に定められていないため、実施年度ごとに設定されているよ。2018年度試験結果では、40問中29問以上正解した者(管理士講習修了者は、36問中25問以上正解した者)が合格判定基準となり、正答率は72.5%だったよ。よって、基本的に7割正解すれば合格できる試験であるといえるよ。なお、直近5年間の合格基準点の平均値は26点で、この場合の正答率は65%となるよ。
また、2018年度試験結果では、合格者9,379名中、管理士講習修了者は2,886名となっており全体の30%だよ。その反面、残りの6,493名(全体の70%)は講習を受けずに合格しているよ。」
◆2018年度 賃貸不動産経営管理士試験結果は?
40問四肢択一方式、40問中29問(正答率72.5%)
受験者数: 18,488名
合格者数: 9,379名
合格率 :50.7%
平成30年度 試験結果統計を見る(賃貸不動産経営管理士協議会ホームページへ)≫
◆試験問題の改訂について
国家資格として期待される、賃貸不動産経営管理士に必要な賃貸管理業務の高度かつ専門的な知識と、資質の厳正な検定の体制強化を図ることを目的として、2020年度試験より出題数と試験時間が変更になります。これにより、宅地建物取引士や管理業務主任者等の不動産関係の国家資格と同様の出題数および試験時間となります。
[2019年度試験] 四肢択一40問90分
↓
[2020年度試験] 四肢択一50問120分
◆試験会場・試験日程・登録要件は?
[願書出願] 例年8月下旬から9月下旬頃
[試験日] 11月中旬の日曜日13:00~14:30(90分間)年1回実施 ※
[合格発表] 試験翌年の1月中旬予定
※2020年試験からは試験問題の改訂があるため、試験時間が120分へ変更となります。
[試験会場] 全国17会場
[登録要件] 賃貸不動産経営管理士への資格登録には、以下の要件のいずれかを満たす必要があります。
宅建建物取引士である者(*1)、又は協議会が認める賃貸不動産関連業務(*2)に2年以上従事している又は従事していた者。
∗1登録手続き時において、有効な宅地建物取引士証の交付を受けている者。
∗2協議会が認める賃貸不動産関連業務とは、宅地建物取引業、不動産管理業、不動産賃貸業(家主業)及び協議会構成団体(*3)の会員とその従業者のほか協議会が認める者。
∗3協議会構成団体は、(公財)日本賃貸住宅管理協会、(公社)全国宅地建物取引業協会連合会、(公社)全日本不動産協会の3団体
[賃貸不動産経営管理士協議会 令和元年度 試験実施要領より抜粋]
[登録の有効期間] 5年間
※ 試験合格の実績に期限はありませんが、登録の更新手続きが必要です。
◆受験者の動向は?どんな人が合格しているの?
「2020年試験からの国家資格化を見据えた、試験の出題数および試験時間の変更が予定されていることが影響して、仕事の必要性から合格を迫られた受験生や、早めに合格したい受験生が大幅に増加しているよ。そのため、直近5年間で受験者数が約4倍以上まで増加しており、4問免除者(講習修了者)の受験者数も、直近5年間で約3.6倍にもなっているよ。
近い将来、賃貸不動産経営管理士が国家資格となれば、状況は変化するかも知れないけれど、2020年の制度改正をふまえた受験生は、今後ますます増えていくと予想されるよ。」
<賃貸不動産経営管理士試験 平成30年度 試験結果統計>
平成30年度 試験結果統計を見る(賃貸不動産経営管理士協議会ホームページへ)≫
国家資格になる?!賃貸不動産経営管理士になる3つのメリットとは?
賃貸不動産経営管理士の勉強は、キャリアアップや転職など、仕事に関するメリットだけではなく、自身が賃貸住宅を借りる場合のトラブル防止になる知識(賃貸借契約や原状回復)など、日常生活において役立つ知識を身につけることできるメリットもあります。そのため、不動産業者のみならず、不動産業務に関連する部門(総務、金融等)の方、学生、主婦、一般の社会人の方まで、幅広い世代の方に役立つ知識がえられます。
ここでは賃貸不動産経営管理士資格を取得する3つのメリットについてご紹介します。
◆いまは公的資格。近い将来、国家資格になることも?!
近年の賃貸住宅のニーズの増加や高度化など、時代のニーズに合致する賃貸不動産管理の重要性は、一層高まっており、より良い住環境の形成に、賃貸不動産経営管理士は必要不可欠な時代となっています。賃貸不動産経営管理士は、現代社会が必要とする資格であるといえます。
先に説明したとおり、賃貸不動産経営管理士を国家資格化する動きが本格化してから、注目度が高まり、受験者が急増しています。直近5年間で、受験者数が約4倍以上まで増加しています。その人気度は年々高まっており、今後の活躍がますます期待されています。
「実際に賃貸不動産経営管理士が国家資格となる時期等はわからないけれど、時代のニーズや国土交通省の動きを反映すると、近い将来の国家資格化も、十分に期待できそうだね。
その反面、その他の不動産関連資格と同様に、賃貸不動産経営管理士がいずれ国家資格となれば、現在の高い合格率を維持することは難しくなり、歴史が浅いがゆえにシンプルだった問題も、複雑化してくるなど、現在よりも目指しにくい資格となってくることも考えられるよ。」
◆宅建試験とセットで合格しやすい資格?
「賃貸不動産経営管理士は、2019年現在、2人に1人が合格できるほど合格率が非常に高く、7割正解すれば合格できる試験である一方で、試験に合格しただけでは、賃貸不動産経営管理士として認定されないよ。この点に最も注意が必要なんだ。合格者は、認定登録されることで、登録証やステッカーの交付を受けることができ、晴れて正式に賃貸不動産経営管理士としての仕事が担えるよ。
この登録には要件が定められており、賃貸不動産経営管理士への資格登録には、必要な要件のいずれかを満たす必要があるよ。この登録要件のひとつにあたるのが、「宅地建物取引士証の交付を受けている方」なんだよ。要するに、宅建士資格登録者ということになるよ。
つまり、賃貸不動産経営管理士は、試験に合格するだけでなく、登録までを視野に入れた場合、欠かせない資格が宅建士なんだよ。」
賃貸不動産経営管理士の登録を見る(賃貸不動産経営管理士協議会ホームページへ)≫
また、先に説明したとおり、賃貸不動産経営管理士試験は、宅建士試験と学習科目が被るため、短期合格を視野に入れた場合もまた、宅建試験とセットで合格しやすい資格であるといえます。本試験は宅建士が10月で、賃貸不動産経営管理士が11月、という順序となりますので、先に宅建士の試験対策を行い、10月中旬~11月中旬までのおよそ1ヶ月で賃貸不動産経営管理士の試験対策を行うことが、最も効率的でかつ効果的な学習順序および方法であるといわれています。
このような経緯から、今日の不動産業界においては、宅建士の知識だけでなく、社会が抱える賃貸不動産市場の問題点を解決できる賃貸不動産経営管理士としての、専門的で幅広い知識が求められており、宅建士とセットで合格を目指す受験生が非常に増加しています。
◆賃貸住宅管理に関する知識・技能・倫理観をもった専門家になれる
賃貸不動産経営管理士は、主に賃貸アパートやマンションなど、賃貸住宅の管理に関する知識・技能・倫理観をもった専門家です。賃貸住宅は、人にとって重要な住居形態であり、その建物を適正に維持・管理することは、人が安心できる生活環境に直結します。そのため、継続的かつ安定的で良質な管理サービスに対する社会的な期待や要望は多く、賃貸不動産経営管理士の活躍が期待されています。
「賃貸不動産経営管理士の業務範囲は、入居者サイドの問題のみならず、オーナーである家主の賃貸経営に関する支援まで含まれるよ。賃貸不動産経営管理士が担う業務は、単に賃貸管理をしていても専門知識がないと対応できない案件が多いため、適正な管理業の促進と消費者の安心につながっているよ。また、オーナーの資産価値の維持・向上、収支計画や長期修繕計画の策定、賃貸住宅経営における改善策の提案など、賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅の入居者とオーナーに寄り添う心強い味方なんだ。」
さらに、賃貸不動産経営管理士は、国の法制度に基づく2つの役割を担っています。
1.国土交通省告示「賃貸住宅管理業者登録制度※」における役割
国土交通省告示「賃貸住宅管理業者登録制度※」における役割が期待されており、登録業者は事務所ごとに1名以上の賃貸不動産経営管理士等を配置しなければならない必置義務が定められており、賃貸不動産経営管理士の今後の活躍がますます期待されています。
※賃貸住宅管理業者登録制度とは
国土交通省が賃貸住宅の借主・貸主の利益保護を図るため、管理業者に賃貸住宅管理業務に関する一定のルールを設けた任意の登録制度です。制度内において、賃貸不動産経営管理士は賃貸住宅の管理に関する重要事項の説明や契約書の署名捺印など、賃貸住宅に係るトラブルを防止するために重要な役割を担っています。[賃貸不動産経営管理士協議会 賃貸不動産経営管理士とはより抜粋]
2.住宅宿泊事業法(民泊新法)における役割
賃貸不動産経営管理士は、住宅宿泊事業法(民泊新法)における役割も担っています。健全な民泊サービスの普及を図るため、住宅宿泊事業の届け出制度や住宅宿泊管理業・住宅宿泊仲介業の登録制度など一定のルールを定めている「住宅宿泊事業法(民泊新法)」において、宿泊者等への対応業務、清掃・衛生業務、住宅・設備管理及び安全確保業務などを行う「住宅宿泊管理業者」は、賃貸不動産経営管理士等の登録を受けている事が必須要件となっています。
また近年、大きな社会問題となっているサブリース契約※やシェアハウス投資のトラブル、賃貸住宅のニーズの増加や高度化など、時代に合わせた質の高い賃貸不動産管理の重要性は、一層高まっています。多様化する入居者およびオーナーにあわせた管理運営の必要性が増加しており、また、人口減少に伴う空き家の増加や住宅の老朽化、オーナーの高齢化、賃貸物件の空室や空き家が社会問題となっています。
このような背景から、より良い住環境の形成に賃貸不動産経営管理士は必要不可欠な時代となっています。
※サブリース契約とは…サブリース業者が、賃貸住宅をオーナーから借り上げ、転貸することをいう。契約時における、借賃及び将来の借賃の変動に係る条件に関する重要事項の説明不足によって、家賃保証をめぐるトラブルが発生しています。
「時代のニーズに合った、多種多様な契約形態や管理方法を提案、空き家のリノベーションなど、課題を解決するだけでなく、新たなビジネスチャンスを引き出す役割としても、賃貸不動産経営管理士に対する期待が高まっているよ。」
資格取得のメリットを見る(賃貸不動産経営管理士協議会ホームページへ)≫
★資格受験生の声~賃貸不動産経営管理士を目指す理由~★
「じゃあ最後に、LECのWeb奨学生試験に応募してくれた方の、『賃貸不動産経営管理士を目指す理由』を1つ紹介するね。」
「宅建&経営管理士W合格で、子供達の身近な理想像になりたい」(40代男性 会社員)
私は40才の時に双子を授かりました。こどもたちは小2。私はこの春、大規模自治体の課長に昇任しました。定年制の65才制度の導入が見込まれ、こどもたちが20才のとき、私は60才。こどもたちのためにも、自分をブラッシュアップし続けていかないといけないという猛烈な危機感を抱いております。そこで今年は管理職となり、早く帰らないとならない環境に身を置くことにもなりましたので、宅地建物取引士と、賃貸不動産経営管理士のダブル合格目指して奮闘中。机に向かう姿をみて、こどもたちがよい意味で勉強する姿勢を身につけてほしいという想いもあります。努力はいくつになっても続けていくものだと、こどもに伝えたい。だから努力します。そして自分の武器を増やしていきたい。これが、私が宅地建物取引士と賃貸不動産経営管理士のダブル合格を目指す理由です。
「賃貸不動産経営管理士を目指す理由が、『子供達の理想像になりたい』なんて、親として素晴らしい姿勢だね!『定年を考えて、自身をブラッシュアップしなければならない』という意気込みが伝わってきて、とても力強い体験談だね。人生100年時代といわれているいま、誰にでも比較的目指しやすい賃貸不動産経営管理士は、ダブルライセンス、トリプルライセンスを見据える人が目指すのに、とても最適な資格なんじゃないかな。」
最後に
ここでは、『賃貸不動産経営管理士』の「試験情報」「合格率や難易度」「メリット」などについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
『賃貸不動産経営管理士』になると、やりがいある仕事ができたり、資格をキャリアアップや就職・転職に活かすことができます。また、日常生活において役立つ知識を身につけることができるなど、不動産業者だけでなく、学生や主婦、一般社会人など、幅広い世代の方にも非常にお薦めの資格です。2019年現在は、試験の合格率も比較的高く、宅建受験者であれば、学習期間も1ヵ月程度と、誰にでも目指しやすい試験ですので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
<登場人物紹介>
天狗先生:いつの間にか山奥からおりてきて、悩み多き社会人や受験生にいつも的確なアドバイスをくれる人。神秘的で気高く頼りになる見た目と、田舎の祖父を思い出す温かい印象から、みんなは彼を先生と呼んでいる。ちなみに、体が赤いのはお酒を呑んでいるのではなく、熱過ぎるハートのせいなんだとか。